美しい建築とは(前)

2020.02.26.Wed.18:21, auther: shida
category: 家づくりの考え, comments(0), -

( 実家リノベーション 杉並の家 : 杉の階段  )

 

 

 

先日本屋で、ある雑誌の表紙にあった

『美しい建築』

という言葉に目がとまりました。

 

 

アトリエ事務所で設計を学んだので

『美しい建築』が指すものを

よ〜くわかっています。

 

独立してからも

そういう建築を作りたいと思っていました。

 

でもある頃から、、、

私自身がわくわくするのは

『美しい建築』が指す建築ではない

ように思い出しました。

 

 

本当に『美しい建築』にはもちろん感動しますよ。

 

たとえば

丹下健三という(都庁を設計した人)建築家が設計した

 

東京カテドラル・聖マリア大聖堂

なんて、中に入るとほんとうに感動します。

 

これが教会?丹下健三建築の代表作、東京カテドラル・ 聖マリア大聖堂

 

ドキドキします。自分の中の何かが刺激されます。

こういう感動を起こす建築が

『美しい建築』です。

 

教会とか大規模な建築物じゃなくても

住宅にだって『美しい建築』はあります。

 

ただ・・・・

雑誌やメディアが引っ張り出す

『美しい建築』というのは

建築家が目指す

「この世にない・・今まで

見た事もないものを」

と思って設計する建築です。

 

絵になる・・・建築。

 

人とか、そこに住む人の暮らしは

むしろ邪魔だったりします。

 

 

篠原一男という建築家がいました。

東京工業大学の記念館を設計した人です。

 

その篠原さんの初期の住宅で

「白の家」というのがあります。

 

その端正なプロポーションと室内の

凛とした光の具合がとても好きで

今見ても

「美しいな〜」と思います。

 

いいサイトがないので

グーグル検索の画像一覧をみてください。

 

篠原一男「白の家」

 

白黒写真が当時のものです。

幸いにその家は移築され現在も使われていますが・・・

カラーが移築後のもので

それ見ると

「えっ・・・こんな感じなの?」

とちょっとガッカリしてしまいます。

 

白黒写真による勝手なイメージが

あったのかもしれませんが・・・

当時もこんな感じだったのかな。。

 

で・・・

建築当時の写真にはもちろん

住む人の暮らしなんか映っていません。

 

建築写真ってそういうものだったんです。

 

 

ある時、何かの雑誌で

暮らしてる状態が映ってる写真を見ました。

 

住んでいる方も高齢になっていました。

 

普通の、、、どうという事もない雑貨が出ていて

どこにであるうな高齢者の暮らしがありました。

こたつが敷かれてあったり・・・。

 

『美しい建築』とは、違いました。

 

 

 

『美しい建築』って、

そこに住む人の暮らし次第で

変わってしまいます。

 

住む人が高齢になると

そこに住むのが辛くなる建築が

『美しい建築』には多いです。

 

『美しい建築』とは

建築家のコンセプトの表現だったり

施主の情熱だったり

感性の表現だったりします。

 

それは、お互いがマッチしていればいいんです。

お互いが望むものですから、『良い建築』です。

 

でもそれが崩れた時・・・

 

施主が興味を失った。

高齢になって住み方や求めるものが変わった。

家を売って、その建築を理解しない別の人が買った。

 

その建築の輝きは失われます。

 

 

私が建築家という思考から離れてしまったのには

篠原一男さんの影響があります。

 

その話しと私が考える「美しい建築」は

次回に。

 

 

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